バストの小ささに悩む人は決して少なくはありません。
またそれと同時に「脇肉がはみ出ること」に悩む人もいるでしょう。
「この脇のお肉を、胸の部分に盛ることができたらいいのに……」と思う人もいるかもしれません。
そんな人のために、脇肉を寄せるブラがどんなものか、紹介していきます。
脇肉を寄せるブラってどんなもの?
まずは、「脇肉を寄せるブラ」について解説していきます。
これはさまざまな種類があり、メーカーごとでオリジナルの技術、オリジナルの考え方をもって作られています。そのため、それぞれに特徴があります。
ただ、以下のように共通している特徴があります。
- サイドベルトが大きくとられている
- 肩紐から背中にかけての生地がU字型になっている
- ホールド力が強い
- パッドが入れられるタイプもある
それぞれについて見ていきましょう。
1.サイドベルトが大きくとられている
脇肉を寄せるブラは、ほぼ例外なく、サイドベルトが太く大きく広くとられています。
サイドベルトが細いとバストの肉が脇の方に流れてしまいうからです。
また、サイドベルトが太い場合脇の方から移動させた肉を胸前面のあたりでキープし続けることが容易になります。
また、後ほど詳しく述べますが、ホールド力が強いベルトが採用されており、胸が型崩れするのを防いでくれます。
2.肩紐から背中にかけての生地がU字型になっている
これも、「脇肉を寄せるブラ」と謳っているブラジャーの共通点です。
脇肉を寄せるブラを着用しているところを後ろからみたとき、ブラジャーの形はU字型を描くようになっています。
脇の下あたりにまで布地があって、そこからUの字を描くようにして背中の中央でホックをかけるようになっているのです。
一の字型になっているものの場合、うまく着けることができないとブラジャーを境目に段になってしまいます。
ブラジャーの上のところに脇の肉が乗り、ブラジャーの下からまた肉が出るようなシルエットになってしまうのです。
しかし脇肉を寄せるブラの場合は、脇のあたりまでをしっかりホールドするため、背中側から見たときででも段差が目立たず、すっきりとしたシルエットになります。
薄着になる季節の場合は、特にこの「段が出ないこと・出にくいこと」が大きなメリットになってきます。
3.ホールド力が強い
一般的なブラジャーに比べて、脇肉を寄せるブラに使われているベルトは非常にホールド力が強いといえます。
背中や脇側から肉を持ってきて胸の前面まで押し上げるため、かなり力のあるベルトが使われることになります。
ただ、どこの会社も「着け心地」には細心の注意を払って開発しているので、くいこみなどは極めて起こりにくくなっています。
なお、脇肉を寄せるブラの場合、背中で止めるもののほかに、フロントホックで止めるタイプのブラジャーも販売されています。
胸の前面で止めるため使いやすく、また自分の手で胸を持ち上げながら着用できるため、非常に便利です。
もちろん、後ろで止める脇肉を寄せるブラも効果的なものですし、こちらの方が選択肢は豊富です。
どちらが良い・悪いというわけではないので、自分が使いやすいものや、デザインが気に入ったものを選ぶとよいでしょう。
4.パッドが入れられるタイプもある
脇肉を寄せるブラは、脇肉を寄せてスレンダーで凸凹がない背中を作ることを第一の目的として開発されています。
しかしそれと同時に、脇肉を寄せるブラは「胸を盛ること」も目指して作られることが多いものでもあります。
脇肉を寄せて、それをバストの肉として盛れるようになっていることからもそれがわかります。
このため、「脇肉を寄せるブラ」は、パットも入れられるようになっている事が多いです。
脇肉を寄せるブラの場合、胸の下部にパットが差し込めるようになっており、これによって胸を大きく持ち上げるようにしています。
「胸が小さい人でも谷間を作ることができる」「普通のブラジャーでは谷間ができなかったけれど、脇肉を寄せるブラを使ったら谷間ができた」などと言われるのはこのためです。
脇肉を寄せるブラは、脇の肉を目立たなくさせるという効果だけではなく「後ろからみたときの背中の段差をなくす役割」「小さな胸を大きく見せて、谷間をつくる効果」もあります。
さまざまな悩みの解消に役立つ脇肉を寄せるブラにはさまざまな特徴とメリットがあると考えるべきでしょう。
脇肉を寄せるブラの欠点とは?
このようにさまざまなメリットを持つ脇肉を寄せるブラですが、わずかながら、デメリットもあります。
それについて見ていきましょう。
- バストアップ効果は一時的なもの
- デザインの選択肢に乏しい場合もある
- 使いにくさを感じる場合もある
1.バストアップ効果は一時的なもの
脇肉を寄せるブラで脇肉を寄せて胸の谷間を作ったとしても、その効果は一時的なものにすぎません。
当たり前の話ではありますが、脇肉を寄せるブラを外せば、また胸は元のかたちに戻ります。
「脇肉を寄せるブラをずっと着け続けていれば、胸はそのかたちを記憶する」という説もありますが、このような説は基本的には疑ってかかるべきでしょう。
そもそも私たちのバストの90パーセントは脂肪であり、非常に柔らかいものです。
これを支えているクーパー靭帯のお陰で胸は上向きのかたちを保つことができますが、クーパー靭帯は一度切れたり伸びたりするともう元には戻りません。
そして、クーパー靭帯が切れると、胸は脇の方に流れて行ってしまうことがあります。
脇肉を寄せるブラは、このクーパー靭帯が切れないように守ってくれるものであり、脇に肉が流れていくのを止めるためのものです。
また、すでに流れてしまったお肉を胸の中央部によせて固定してくれる有能なものです。
ただ脇肉を寄せるブラはクーパー靭帯を「修復」するわけではありません。
また脂肪は形状や位置を記憶することはできないため、外せばまた元に戻ってしまいます。
脇肉を寄せるブラで胸を大きく見せることやすっきりとしたボディラインを作ることはできても、脇肉を寄せるブラによってバストサイズ自体がアップができるわけではありません。
2.デザインの選択肢に乏しい場合もある
現在では大分改善されてきていますが、機能性を重要視したブラジャーはそうではないものに比べてデザインの選択肢が狭い場合もあります。
デザイン性よりも使いやすさが優先されることも多く、デザインやカラーリングの選択肢が狭くなりがちです。
もっとも、現在では「脇肉を寄せるブラ」であることさえも感じさせないおしゃれなデザインのものも多いです。
メーカーの裁縫技術や考え方、また価格面での折り合いがつくかなどを考えていく必要はありますが、「脇肉を寄せるブラのすべては、デザイン性が悪い」というわけではありません。
3.使いにくさを感じる場合もある
脇肉を寄せるブラを寄せるブラには、パッドが内蔵されていることが多くあります。
ただ、パッドの位置によっては使い心地が悪くなってしまう可能性もあります。
思ったよりも胸を持ち上げることができず、ブラの上の部分が開いてしまう可能性があるのです。
また、「脇肉は寄せたいが、胸自体は大きいのでパッドは必要がない」という人もいるでしょう。
しかし「脇肉を寄せるブラ」としているブラジャーのなかには、パッドは内蔵されていて出し入れができないとしているものもあります。
注文前にはしっかり確認する必要があるでしょう。
脇肉を寄せるブラを買う前と買った後
ここまで「脇肉を寄せるブラの特徴」について述べてきましたが、脇肉を寄せるブラを買う前にはまず、自分の胸のサイズを測り直す必要があります。
ある調査では70パーセントの女性が自分のサイズを誤解しており、さらにそのうちの半分以上が自分の胸よりも小さいサイズのブラジャーをつけていたということがわかっています。
小さいブラジャーを付けてしまうと、背中に段さが起きやすくなってしまいます。
また胸が圧迫されて息苦しさを感じたり、血行が悪くなったりします。
血行が悪くなると胸に栄養がいきわたりにくくなり、なかなか胸が育たない……という状況に陥ってしまいます。
このため、自分の胸のサイズをしっかり把握し、それに合ったブラジャーを買い求める必要があります。
胸のかたちやボリューム、大きさは一定のものではなく、変化するものです。
今の自分の胸のサイズを知り、それにぴったり合ったものを買うようにしてください。
また、ブラジャーをきちんとした手順でつけることも重要です。
ブラジャーの正しい着け方は、以下の通りです。
- 手にブラひもを通します。
- 前かがみになり、ブラジャーの底辺をバストの下部に合わせます。
- 後ろ手でホックを止めます。
- 前にかがんだままの状態で、手を使って脇の脂肪をカップの中に入れていいきます。
- 左右のバランスを整えます。
- 体は、この段階で起こします。
- ストラップを調整します。人差し指1本が入る「遊び」を持たせます。
- 着用完了です。
このようにしてきちんとブラジャーをつけていかないと、せっかく買った脇を寄せるブラの能力を発揮させられません。
この手順で、しっかりブラジャーを使っていきましょう。