乳腺の変化とクーパー靭帯の損傷について

女性の胸は男性の胸に比べると大きいものです。

また、乳腺も発達しています。

しかし年齢を重ねることで、胸が垂れていってしまうことがあります。

今回は胸が垂れていく原因と、その予防策について考えましょう。

女性の胸を構成する要素について

女性の胸は、妊娠~出産~授乳ができるように,男性に比べて大きく発達します。

そして女性のバストを構成しているのは、90パーセントの脂肪と10パーセントの乳腺です。

このバストを、クーパー靭帯(じんたい)と胸筋が支えています。

クーパー靭帯があるおかげでバストは上向きの状態を維持することができますし、胸筋があるおかげで胸は型崩れをしなくて済むわけです。

胸が垂れてしまう原因とは

女性のバストの成長には、女性ホルモンが重要な役目を果たしています。

女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)に分けられますが、「バストの成長」という観点から考えた場合、特に注目されるのは「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の方です。

エストロゲンは女の子の体を女性らしいものへと変化させていくホルモンです。

また、女性の肌をつややかにしたり、髪の毛を美しくしたり、精神を安定させたりするためにも使われ、女性の胸を美しくみせるために役立つものです。

このエストロゲンの影響を受けて胸は育っていくわけですが、もともと胸は子どもに栄養を与えるために存在する器官です。

このため、授乳期間が終わり閉経すると体内のホルモンバランスも変化し、バストの状況も変化していきます。

これまで存在していた乳腺細胞が減少し、バストがしぼんだり、垂れたりしていくのです。

閉経後のバストとは

閉経を迎えた後の女性のバストは、非常に垂れやすくなります。

閉経を迎えた後、女性の体の中で分泌される女性ホルモンは様変わりします。

今まで、エストラジオールという非常に効果の高いエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されていましたが、効果が穏やかなエストロンが副腎から分泌されるようになるのです。

乳腺も子どもに母乳を供給する役割を終えるため、徐々に脂肪に変わっていきます。

脂肪は非常に柔らかいものであり、すぐにかたちを変えてしまいます。

また、バストの脂肪を支える胸筋も加齢とともに衰えていくため、バストのハリを維持することが難しくなります。

このように「閉経」を一つのターングポイントとして、女性のバストは徐々に変化していくのです。

ホルモンバランス以外の原因

加齢によって胸が垂れるのは、エストラジオールの分泌量が減るから、あるいはそれを支える胸筋がやせるからだけではありません。

ほかの要因も関わってきます。

コラーゲンの減少

一番わかりやすいのは、「コラーゲンの減少」でしょう。

私たちの肌には無数のコラーゲンが存在します。

コラーゲンは日々体の中でつくられるものであり、私たちの肌のハリを維持するためにも必要なものです。

「スキンケア」の分野では特によくこの「コラーゲン」が取り上げられますが、バストのハリを保つためにも非常に役立つものです。

このコラーゲンは、年を重ねるごとに生産量が落ちていきます

若いころはみずみずしくハリのある肌を維持できていたのに、年を重ねると肌のハリが失われるのはこのためです。

ハリの失った胸は次第に垂れていきます。

また、コラーゲンは、次に紹介する「クーパー靭帯」の主成分でもあります。

クーパー靭帯の損傷

胸を支えているクーパー靭帯について解説していきます。

クーパー靭帯は、胸を支え、上向きのバストを維持するために欠かすことのできない靭帯です。

これが切れたり伸びたりすると、バストの脂肪は地面側に向けて垂れていくことになります。

その意味では、クーパー靭帯は「バストの垂れに直接的に関係する部位」といえるでしょう。

スポーツなどをやっていて靭帯を切ったことのある人ならば分かるかもしれませんが、通常、体のどこかの靭帯を損傷すると非常に強い痛みが走るものです。

しかしクーパー靭帯の場合はこのような痛みがあり

このためクーパー靭帯が切れることに関しては自覚症状がなのです。

また、一度にいきなり大量のクーパー靭帯が切れるわけではありませんから、「気が付いたら垂れていた」「5年前の写真と比べて胸が垂れていることに気が付いて愕然とした」などのようなかたちで気付くことが多いかと思われます。

紫外線などの外的刺激

「顔のスキンケア」においては「紫外線が大敵だ」とよく言われます。

紫外線は肌老化を進めるもっとも大きな要因の1つだからです。

顔とは異なりバストの場合は通常は洋服に包まれています。

このため顔に比べればたしかに紫外線の影響は受けにくいといえます。

しかし海に行く時などは胸元をあけるデザインの水着を切ることが多いものです。

また、薄着の季節も注意が必要です。

生活習慣によるもの

生活習慣もまた、胸の下垂に大きな影響を与えます。

バランスの悪い食事や過激な食事制限ダイエットを行っていると胸に栄養素がいきわたらなくなります。

ダイエットをして美しい体つきを作りたいと考える人は多いものですが、過激なダイエットは大きなリスク要因となりえます

加えて、ストレスや睡眠不足、悪い姿勢(特に猫背)が日常化していると、血行が悪くなります。

血液はバストに栄養と酸素を運ぶものですから、血行が悪くなればバストは十分に育ちません

下着の問題

正しくないサイズのブラジャーをつけていると、クーパー靭帯は非常に切れやすくなります。

また、締め付けの強いブラジャーをつけていると血行が悪くなり、うまくバストに栄養がいきわたらなくなります。

正しいブラジャーは私たちの胸をサポートして型崩れを防いでくれますが、正しくないブラジャーは私たちの胸に大きな悪影響を与えます。

バストの垂れに対する対策について

エストロゲンやコラーゲンの分泌・生産量が衰えていくことは防ぐことができません。

そして乳腺が脂肪に変わることも、止めることはできません。

しかし、紫外線をブロックするために日焼け止めを使ったり、きちんとしたバランスのとれた食事をしたり、運動を組み合わせたり、良質な睡眠とストレス解消方法を実践したりすることで、老化の速度を遅らせることができます

また、自分の体に合ったブラジャーを使い、用途に応じてスポーツブラやナイトブラなど使い分けることで、バストを支えていくこともできます。

クーパー靭帯を保護しよう

クーパー靭帯の主成分は、上でも述べた通り、コラーゲンです。

しかしコラーゲンをそのまま胸に塗ったとしてもクーパー靭帯がよみがえることはありません。

「塗る」というかたちで取り入れた場合、それが作用できるのは角質層までだからです。

さらに、損傷したクーパー靭帯をよみがえらせる方法もありません。

一度切れてしまったり伸びてしまったりしたクーパー靭帯を、元のようにつなぎ合わせることはできないのです。

このような特性を持っているため、クーパー靭帯の損傷によるバストの垂れを避けたいのであれば、クーパー靭帯が切れる前に保護をする必要があります。

正しいサイズのブラを正しく着用してクーパー靭帯とバストの脂肪を支えるようにするべきです。

また、スポーツを行うときや夜寝るときは、日中の姿勢とは異なり、かかる力も量も違います。

このため、日中用、ナイトブラ、スポーツブラを使い分けるのが理想です。

ナイトブラやスポーツブラは機能性が重要視されたものが多く、日中とは違う動きや激しい動きをしてもバストをしっかりと支えてくれます。

一度脂肪に変化した乳腺や、一度損傷してしまったクーパー靭帯を治す方法はありません。

このため「そうならないようにするための予防策」を講じる必要があるのです。

関連記事

TOP
TOP