ブラジャーの構造と各パーツの役割を解説

普段何気なく着けているブラジャーですが、ブラジャーを構成しているパーツや構造を気にしている人は少ないと思います。

ブラジャー選びをする際、自分に合ったブラジャーがよくわからなくて自分の好みで選んでしまうという人が多いですが、ブラジャーの構造やそれぞれのパーツの役割を理解しておくと、自分に合ったブラジャーを選びやすくなります。

今回は、ブラジャーをより理解していただくために、ブラジャーの構造やそれぞれのパーツの役割などを解説します。

ブラジャーを構成するパーツの名称と役割

ブラジャーを構成する基本的なパーツは、カップ・ベルト・ストラップ・ホックの4つですが、他にも部分的なパーツであるワイヤー・パット・ボーンなどを挿入して構成されているブラジャーもあります。

カップ

カップは左右のバストを包み保護する役割を持ちますが、カップの形状によりバストの支え方や固定の仕方・目的が異なります。

  • フルカップ=バストを全体的に包み込み安定させる目的でつくられている。
  • 3/4カップ=バストを斜め下から中央に寄せて上げる目的でつくられている。
  • 1/2カップ=バストを下から支えて持ち上げる目的でつくられている。

カップの構造は以下のようにさまざまなものがあります。

  • 一重の布地でつくられているもの
  • ポリウレタン製の薄いパットの上にレースや布を覆って、弾力性のあるカップにつくられているもの
  • カップの中にポケットがあり、パットを挿入できるようになっているもの
  • 肌に直接当たる部分(カップの内側)に冷感素材や自然素材が使用されたものなど。

ベルト

ベルトは二つのカップをつなぎバストをアンダーバスト部分で支え、背中へ一周させてホックで留めることでカップを固定させる役割があります。
一般的なブラジャーでは、カップサイズが小さいブラジャーのベルトは幅が細く、カップサイズが大きくなるほど、バストの重みを支え固定させるためにベルトの幅が広くつくられています。

一般的なブラジャーベルトの形状はベルトの幅が真っ直ぐ(一文字)につくられていますが、補正ブラジャーなどの補正力を重視したブラジャーは、背中側のストラップがU字型をした、ストラップとの結合部分のベルトの幅を広げているものがあります。

ストラップ

ストラップ(肩紐)はベルトの位置のずれを防ぐ役割があり、肩を挟んでカップの上辺と背中側のベルトを連結させています。
ストラップの幅はブラジャーのタイプによって異なり、1cm〜2cm程度のものが多くなっています。

手前味噌ですが、ラディアンヌのブラジャーは肩にかかる負担の軽減とバストに高さを出すために、全てのブラのストラップが2cm以上の幅となっています。広いもので2.5cm幅のブラもあります。

ほとんどのブラジャーのストラップには、長さを調節できるアジャスターが付いていますが、アジャスターがなく調整ができないブラジャーもあります。

ストラップとカップの結合位置は、ブラジャーのタイプによって違いがあります。
フルカップブラジャーなどは、バストの重みを効果的に支えるためにバストの中心に近い位置で結合するようになっていますが、3/4カップや1/2カップブラジャーの場合は、脇肉を寄せて上げる目的のため、脇に近い位置(バストの中心より外側)で結合されています。

ホック

ホックは背中に回したベルトをつなぎしっかり留める役割をします。一般的なブラジャーは背中側にありますが、前中心にホックがあるタイプ「フロントホック」もあります。
ホックは通常2列〜3列あり、多少のサイズ変化に対応しています。

1列に並ぶホックの数はベルトの幅によって異なりますが、一般的なブラジャーは1〜4個、ロングブラジャーの場合は10個付いているものもあります。
また、ホックの間隔は1cm程度です。

ちなみに、ラディアンヌのブラジャーは安定感と補正力、はみ出るお肉を抑えるためにも全てのブラが一列に3段以上のホックです。多いもので6段ホックのブラがあります。

ワイヤー

ワイヤーは、バストを支えて理想的な形に整えることを目的として、カップの底辺に芯として挿入されています。
ブラジャーのサイズが大きくなるほど、ワイヤーの半円形の形状が緩やかに(ワイヤーの幅が大きく)なっています。
ワイヤーの素材は金属や樹脂・形状記憶合金などが使用され、ソフトワイヤーとハードワイヤーの2種類があります。

パット

ブラジャーには最初からパットが付いているものがありますが、パットの役割はバストを大きく見せることだけではありません。
左右のバストの大きさが違う場合に、バランスをとるため片方だけパットを入れたり、下垂したバストを持ち上げるために挿入したり、またバストの谷間をつくるために使用されることもあります。

パットの形状は、丸型(フルパット)・レモン型(ハーフパット)・ピーナッツ型(左右のパットが一体化したもの)などがあります。
また、バストを優しく清潔に保護するためのマタニティ専用のパットもあります。

ボーン

ボーンとは、カップから2〜3cm程度離れた位置(脇)に挿入する芯のことです。
バストが大きい人や柔らかい肉質の人などはバストが脇に流れやすいため、ベルトにボーンを挿入することでバストの流れを防止します。
ボーンの入っていないブラジャーも多いですが、補正力の高いブラジャーほど多数のボーンが挿入されています。

ブラジャーは今後も進化が続く!

日本のブラジャーの歴史を振り返ってみると、女性の洋装化が進んだ大正時代に遡ります。
大正末期から昭和初期に「乳房バンド」として登場したのが、日本でのブラジャーの始まり。
それまでの一般女性は、着物を着用していましたからバストを保護するものといえば、「さらし」などを巻いていただけでした。

その後の終戦を経て、日本は急速な欧米化により女性ファッションも一気に洋装中心へと変化することになります。
1949(昭和24)年、当時の和光商事(現ワコール)によって、洋服の内側に装着してバストの形をきれいに見せる「ブラパット」の取り扱いが始まり、1950(昭和25)年には、現在のブラジャーの原型ともいえる、カップの内側に「ブラパット」を入れる立体的なブラジャーが生産されるようになりました。
しかし、当時のブラジャーは反物の端切れを使い、サイズもS・M・Lの3種類のみ。

JISでブラジャーのサイズが規格・制定されたのは1980年です。
1998年に改正され、現在に至る豊富なサイズが展開されるようになりました。

デザインや機能性については、時代の移り変わりとともに著しい進化が見られるようになりました。
ブラジャーはただバストを覆い保護するだけのものではなく、女性ファッションの重要なアイテムとなり、よりファッショナブルなものへと変化しました。
ワイヤーなどの導入によりしっかりバストを支えて形を整えるブラジャーや寄せて上げるブラジャー・盛れるブラジャー・バストメイク(育乳)ブラジャー・シーン別ブラジャー(スポーツブラ・ナイトブラなど)などが続々と登場。

近年は、着け心地とナチュラル感が重視されたブラジャーが人気を集めています。
今後もブラジャーは女性のバストの形を美しく維持し、より快適に着用できるよう、さらなる進化が続いていくでしょう。

最後に

現在ではブラジャーの種類が大変多く選択肢が豊富なため、自分に合ったブラジャーはというと迷ってしまうこともあると思います。
ブラジャーを選ぶ際は、自分の現在のバストの状態を考慮して選ぶことが大切です。

20代、30代、40代とバストの形や体型、肉質などが変化していきます。
そのため、年齢や体の変化に適応し目的に合ったブラジャーが必要になるのです。

さらに、ブラジャーの構造やパーツの役割などの理解を深めることが、より自分に合ったブラジャー選びに役立つことでしょう。

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