ブラジャーの跡が痒いのは何故?原因と対策を解説

女性は敏感な肌の人が多く、少しの刺激でも肌荒れがしたり、赤く腫れあがったりする人がいます。

私がお客様のフィッティングをさせていただいた頃も、背中やアンダーバストにくっきりとした赤いブラ跡がミミズ腫れになり、見るも痛々しい状態になっている人もいらっしゃいました。

今回はブラジャーの跡が痒くなる原因と対策について解説します。

ブラジャーで痒くなる5つの原因

夏に多い汗疹(あせも)

寄せて上げるブラジャーが一般的ですが、汗をかく夏はブラジャーの中が蒸れやすくなり汗疹ができる女性が多いようです。

バスト(特にブラジャーの中)は顔や首筋と違って汗をかいても拭きにくいため、汗がブラジャーに滲み込み蒸れて汗疹ができやすくなります。

汗疹は掻くと肌が傷付き雑菌が入ることで炎症を起こし、「とびひ(伝染性膿痂疹)」になってしまう可能性があるため、注意しましょう。

締め付けによる物理性蕁麻疹(じんましん)

物理性蕁麻疹とは、下着やベルトによる締め付けなど、肌を圧迫することにより起こる蕁麻疹のことです。人工的な原因から起こるため、人工蕁麻疹・機械的蕁麻疹などとも呼ばれています。
蕁麻疹の種類について教えてください。、公益財団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A、Link

素材などによる接触皮膚炎

接触性皮膚炎とは、一般的には「かぶれ」といわれる症状で、特定の物質に触れた一部分に紅班(腫れて赤くなる)や丘疹(1cm以下の発疹)、痒み、ヒリヒリ感などの症状が現れます。
接触性皮膚炎は汗をかきやすい夏期や乾燥しやすい冬期に多く、治っても繰り返してしまうことも。

ブラジャーによるかぶれが乳房全体とか広範囲にできている場合は、ブラジャーの素材(化学繊維)そのものが体質に合っていないことが考えられます。

ストラップ部分だけ、レースのあたる部分だけ、またはブラジャーの縫い目があたる部分だけなど、部分的な素材や刺激が原因になっているケースもあります。

接触性皮膚炎の原因物質は非常に多く、日常使用するあらゆる物(化粧品やボディーソープ、制汗剤など)が原因になったり、ブラジャーの場合は洗うときの洗剤などに使用されている界面活性剤が接触性皮膚炎を誘発したりするともあります。

さらに、ブラジャーを外に干したときに付着した花粉や黄砂に含まれている化学物質なども接触性皮膚炎の原因物質となるため、特定が難しい場合があります。
日常品による接触皮膚炎(かぶれ)はどのようなものがありますか?、公益財団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A、Link

PMS(月経前症候群)による痒み

PMSとは、Premenstrual Syndromeの略で、生理前の約2週間に女性の心身に起こるさまざまな不調のことです。

女性の体は生理前なると、二種類ある女性ホルモン(卵巣ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロン)のうち、エストロゲンが減少し、プロゲステロンが増加するというホルモンの乱れが起こります。

ホルモンの乱れは、体のあらゆるところに変化が生じますが、その一つが肌の痒みです。

生理前は普段よりも肌が敏感になっているため、通常は感じないブラジャーの刺激にも過敏に反応することがあります。
PMSとは?、テルモ、監修:対馬ルリ子、医療法人社団フィーメールガーデン 理事長、女性ライフクリニック銀座 院長、Link

胸ニキビ

ニキビができる原因は、毛穴に皮脂が詰まることです。毛穴に皮脂が詰まるとアクネ菌が増殖し、炎症成分を出すためニキビになります。

ブラジャーに直接関係がないように思われますが、アクネ菌は高温多湿を好み酸素の届きにくい毛穴で増殖します。ピッタリしたブラジャーの中の肌はまさに高温多湿で酸素が届きにくく、アクネ菌が繁殖しやすい環境です。

ブラジャーによる痒みの対策

汗をこまめに拭く

汗をかく季節は、外出時にもウェットティッシュなどを携帯し、こまめに汗を拭き取りましょう。
汗をかいたときはブラジャーも着替えるのがベストですが、外出時などはブラジャーの中に入れる汗取りパットを利用すると便利です。

締め付けの少ないブラジャーを着用

締め付けによる痒みの場合は、当然ですが締め付けの少ないブラジャーを着用しましょう。

寝るときにもナイトブラなどを使用している場合は、痒みが治まるまでの期間だけでもブラジャーを外して寝ることをおすすめします。

また、ワイヤー部分が痒い場合はノンワイヤーブラがおすすめ。
「ノンワイヤーブラって補整力が心配…」という人もいると思いますが、最近のノンワイヤーブラは以前のものとは全く異なります。

ワイヤーブラはワイヤーの線部分でバストの重みを支える仕組みになっていますが、ノンワイヤーブラはカップの面全体でバストの重みを支えるようになっているため、ソフトな付け心地であってもしっかりとバストを支持し補整してくれます。

レースなどのないシンプルなブラジャーを選ぶ

肌が敏感な人は、できるだけシンプルなデザインのブラジャーを選びましょう。

レースや飾りのあるブラジャーは素敵ですが、肌がボロボロになってしまっては元も子もありません。デザイン重視よりも美肌重視しましょう。

十分な保湿ケアを行う

乾燥やストレスによって肌のバリア機能が低下すると、肌を通して簡単に異物が入り込める状態になっています。
そのため普段はアレルギーのない人でも何かの原因物質によって皮膚炎が発症しやすくなります。

普段から十分な保湿ケアを行い、肌にストレスを与えないように心がけましょう。

肌に必要な栄養を摂る

肌に良いとされている栄養素は、ビタミンB群・ビタミンC・食物繊維・鉄分・亜鉛などです。食品ではヨーグルトや大豆製品・豚肉などを意識して摂るようにしましょう。

また、肌にとって良くない食品(カフェインや香辛料などの刺激物)はなるべく控えましょう。

十分な睡眠をとる

PMSによる肌の痒みには、肌に良い栄養素を十分に摂ることや入念な保湿ケアも大切ですが、十分な睡眠をとることが重要です。

女性ホルモンの乱れは、自律神経の乱れにつながりPMSの症状の悪化にもつながります。
自律神経を整えるには、十分な睡眠をとることが第一。就寝前はリラックスした状態で眠りにつけるように心がけましょう。

就寝前の2時間程度はパソコン・スマホなどの使用は避けることをおすすめします(ブルーライトの影響で、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されにくくなる)。

とにかくブラジャーの痒みをすぐに抑えたい人は?

痒くても掻かない、冷やすのが良い

痒いときはどうしても掻きたくなりますが、掻くと皮膚が傷つき腫れや赤みが広がり、治りが遅くなります。また、傷口から菌が入りさらに悪化することも。
痒いときは保冷剤をタオルなどで包んで冷やすようにしましょう。炎症は冷やすと多少良くなり、痒みも少なくなります。

市販薬を試してみる

湿疹やかぶれに効く市販薬も効果的です。症状の程度によって、ステロイド系の軟膏、または非ステロイド系軟膏を選びましょう。

最後に

さて、あなたのバストの痒みは何が原因か特定できたでしょうか?

原因と思われるブラジャーの着用をやめても痒みが改善されない場合や、治ってもまた繰り返す場合はやはり皮膚科へ行くことをおすすめします。
ブラジャーは女性である限りほとんど一日中身に付けなければならないため、ブラジャーで痒みが出たりチクチクしたりすると、一日中憂鬱で精神的にも大変辛いものです。

また、放置していると完治しにくいだけでなく、肌に色素沈着を起こしてしまうので我慢は禁物。

早急な対策を行って痒みのストレスから解放されましょう。

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